過敏性腸症候群の山田太郎(仮名)を覚えていてくれてますか？
何でも信じる、汚れなき男である。
そう、この男が我々の同期の中で2番目に消える男であった。
『ジャラよ。俺付き合ってる奴がいるんだよね。』と山田太郎(仮
『どんな子なの？』とジャラ
『お寺の子なのよ！』
『どこで知り合ったのよ？』
『大学生の時の同じゼミ』
『これから、配属になったら、遠距離恋愛になるかもね！』
『そこが問題になってるのよ！』
どうやら、遠距離恋愛になったときに、親から別れるように言われ
『でも東京配属は難しいやろ！』とジャラ
『もう祈るしかないなぁ』と山田
そして、配属前の実地研修が行われることとなる。この実地研修に
『山田、仙台支店宮城第2営業所』と研修部
これで確実に、山田は仙台支店への配属が決まったのであった。
『俺悩んでるんだよね。』と山田
『何を悩んでるん？』とジャラ
『会社を取るか、彼女を取るかで』
『実際、配属になったら遠距離も許してもらえるんじゃないの？』
『それは絶対ない！』
『なんでなの？』
事情聞けば、彼女がお寺の一人娘であるので、婿養子をとることに
そして、その婿養子がお寺の後継となる様だ。
『ん？お寺の住職になるん？』とジャラ
『それしか、道はないんだよ。』と山田
『じゃ、もう結婚するの？』
『彼女からそうお願いされているんだよ。』
結婚の話まで出ているようだ！
『結婚するんだ。早いなぁ。』とジャラ
『僕もこんなに早くするとは思ってなかったよ！』と山田
『じゃぁ会社辞めるんだ！』
『来月いっぱいで！』
こうして、山田は退職していった。
婿養子に行ったので、前田太郎（仮名）と苗字が変更になっていた
一年後の年賀状
明けましておめでとうございます。
本年も良い年でありますように。
宜しくお願いいたします。
前田善行（仮名）
善行？
そう、太郎と言うのが前田と合わさると画数が悪いと言うことで、
前田善行って、山田太郎の面影なしやん。
てか、あんたの存在忘れそうやわ（笑
こうして山田太郎（仮名）は、僕たちの前から消えていったのであ
前田善行（仮名）として
